■国鉄 JR EF58形 ● 直流電気機関車 ● 吊り掛け式 ● 特急つばめ・はと ● ブルートレイン ● 先台車デッキ付スタイル 1946年 から登場した戦後初の旅客用直流電気機関車です。 登場当初はおなじみの湘南型2枚窓の流線形ではなく、戦前1940年登場のEF57形をベースにしたデッキタイプ貫通扉の箱形スタイルの外観でした。同時期に製造された貨物用電気機関車EF15形は兄弟機とされています。 終戦混乱期による急激な乗客増大に合わせて1946年から1948年31両急遽製造されたため、物資不足などで性能は劣悪で乗務員にも不評で乗務拒否するほどでした。 量産は一時停止し1953年から改良されたおなじみの湘南型流線形が登場、1958年まで172両量産されました。初期のEF57形タイプも湘南型流線形のボディに順次改造され1950年代から1970年代にかけて「つばめ」ブルートレインなど優等特急・急行列車で活躍しました。現在も「ゴハチ」の愛称でも親しまれています。 1953年以降の湘南型流線形はモダンなデザインながら、台枠は初期タイプと同じ先台車付きでデッキ部分まで車体を延長した古いタイプです。アクセント用の正面の銀色のひげはこの形式が初で後に登場する電気機関車に受継ぎました。 製造メーカーや製造時期、改造などでデザインに差異があり、外装色も様々ありバリエーションに富んだ車両でファンが多い理由でもあります。 1946年登場の初期タイプは戦前・戦時・戦後色の強い「ぶどう色」と呼ばれた茶色の箱形、1953年以降の流線形タイプも当初は茶色でした。その一年後の1954年から花形特急「つばめ」など華やかにするためダークブルーなど様々な試験色を経て、うぐいす色に下部が黄色のカラーリング「青大将」が登場。 1958年ブルートレイン登場、当初「青大将」と同じブルーをベースに下部アイボリーのカラーリング、後に一般色と呼ばれるブルーに腰部アイボリーというおなじみのカラーリングが登場しました。 1953年流線形登場当初から60号機(東芝)、61号機(日立)のお召し列車仕様が登場、他の58形より豪華に作られ唯一の「ぶどう色」車両でした。 1970年代、花形特急は481系など電車タイプが主流となり、ブルートレインもEF65形が主力となって活躍の場が狭まり1986年3月紀勢本線を最後に定期運用が終了しました。 その後は貨物、臨時・不定期運用で2000年代まで活躍、現在大宮鉄道博物館89号機、61号機、京都鉄道博物館150号機などで静態保存されています。 イラストは1960年寝台特急ブルートレイン「さくら号」です。 ■EF58形の外観バリエーションはこちらへ ■拡大イラストはこちらへ 更に詳しく知りたい方はこちらへ(wiki)